「あなたの小さい頃の歯並びはひどかった」と言って祖母が私の昔の写真を見せますが、私には歯並びが悪かったという実感がありません。それはきっと、小さい頃から歯列矯正治療に通い、今でも自慢の歯並びだからです。私の将来を気にした母が、歯列矯正に通わせることを決心してくれたのだそうです。
その頃は矯正に通わせてもらっている自分が誇らしく、何かとってもオシャレなことをさせてもらっているとさえ感じていました。治療を担当してくださった先生も、看護婦の方も大好きで、美容院できれいにしてもらっているような感覚でした。治療中は、硬いものを噛むと時々歯が痛むことがあり、また、食べ物が矯正器具に詰まったので、歯磨きに時間がかかり大変だったはずですが、母がいつも優しく励ましてくれたのでつらく感じたことはありませんでした。
小さい頃から治療を続けたためか、私の歯並びはいつまでも整ったままで完璧です。周りのお友達のなかには、私が矯正したことを知って、矯正治療に踏み切った人が何人かいます。「どこでやったの?」と聞かれるので、自信を持って先生を紹介しています。祖母が見せる小さい頃の自分の写真を見る度に、この頃の歯並びのままで今を迎えていたら…… と思い、ゾッとします。と同時に、あの頃私に矯正をさせてくれた母に、そしていつも優しく治療をしてくださった先生に本当に感謝しています。
将来私に子供ができ、その子の歯並びが悪かったら、私も母がしてくれたのと同じように、矯正治療を受けさせてあげたいと思います。その時は先生にまたお願いしたいと思います。